PORTFOLIO #085
山影と朝陽を望む
丘上のライブラリー
美しい光に包まれて、
物語の世界を巡る場所
冷たい空気が澄み渡る朝。ベッドルームから薪ストーブのあるリビングへ下りる途中、窓に描かれた絵画のような空のグラデーションと、樹木の影と霞んだ山影のコントラストが目をうばう。美しい光はやがて、吹き抜けからリビングへ降り注ぎ、薪を焚べながら読書に勤しむ建て主を照らしていく。
PORTFOLIO #093
朝陽と夕日が山稜の彩りを描く日々に心を預けて、夫婦ふたりの好きなことを愉しむ暮らし。
おおらかなワンルームで、ふたりそれぞれの仕草が交わる時間を、穏やかに。
森の高台に建つモリノイエ。あたたかな陽が入り込む美しい地。
エントランスからリビングへ。スキップフロアを活かした間仕切りのないワンルームには、心地よい風が流れ、美しい自然の風景がパノラマに広がる。
ダイニングからデッキへ。鳥の目線で山々を望む。
トーンを抑えたオープンなキッチン。「いつもきれいに整えようと、心がけるのも暮らしの愉しみ。あえて見えるようにして、モノ選びを厳選するようにしているんです」と、和やかに言葉を交わす夫婦の暮らしぶりは、森暮らしのお手本。
夫婦が長年愛用してきた〈シャルロット・ペリアン〉のソファ、ウォールアートやサウンドシステムなど、
建て主のセンスが空間にリズムを生むシンプルなミュージックルーム。
建て主のアイデアから、床下にコード(配線)をまとめる設計にしたことで、より整然とした空間を叶えた。
スキップフロアを活かしたロフトをゲストルーム、階下を夫婦のベッドルームとして設計。
階段下の空間には、高低差を活かして、レストルームをデザインしている。
夫婦のベッドルームは、ミニマルな空間でありながら、じゅうぶんに広さを感じられるよう、
天井を高くとり、縦長の窓をしつらえて、南の光を取り込むデザインに。
ベッドルームの隣に配置したバスルーム。窓からは鳥の目線で、木々を眺めることができる。
風景に恵まれ、都会では味わえない露天風呂のような開放感が生まれた。
建築はシンプルに。建て主の暮らしぶりは豊かに。
建て主の遊び心が、所々に散りばめられている森暮らしを知り、建築を考える私たちはとても嬉しくなる。