PORTFOLIO #091

陰影と“和の美”のうつわ

敷地面積
2012.44㎡ / 608.76坪
建築面積
228.15㎡ / 69.02坪

時を知らせる森の瞬き
陰影のやすらぎ、光の奥ゆき

森の海と浅間山を望むこの地で、心の波をしずめる。想像したのは、森を照らす陽のあたたかさと、光が陰影に沁みわたる静けさ。暗がりの廊下とわずかな灯り、天窓から溢れる陽のうつろい…。陰影のやすらぎと光の奥ゆきをとらえる森の山荘が、和の美を享受した建て主の感性を汲むうつわとなるように。

敷地面積
2012.44㎡ / 608.76坪
建築面積
228.15㎡ / 69.02坪

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浅間山を望む森の山荘。
 
東西にしつらえた浮遊感のあるウッドデッキは、
リビングからバスルーム、ベッドルームまでをひとつなぎにしている。
 
食事のあと、湯あがり、目覚めの朝、
いつでも一歩外へ出れば、
森の海に身を委ねることができる。

エントランスは2方向の道路に接しているため、車の動きがスムーズな回遊方法をとり、小さなグリーンスペースで、山荘と道路に距離を置いた。

光が抜けるエントランス・パーキングの縦格子と、リズムの合う玄関戸のありさま。

南に位置する玄関は、あえて陰影を生む暗がりに。
光壁は、建て主がこの山荘のために依頼した、和紙デザイナー・堀木エリ子さんの作品。
 
卓越した光の表現に、空間美を委ね、
和紙光壁が最大限に活きるような計画とした。
 
自然の豊かさを享受し、美に感性を研ぎ澄ませる森暮らし。
その物語の扉を開くように。

玄関の先に広がる森の風景とリビングのありさま。
高低差でダイニングとの境界をゾーニングし、間仕切りのないおおらかなワンルームにしつらえた。
 
森の海に大きく開いた空間に、たえ間なく森の瞬きが広がり、心の波が穏やかになる。
 
天窓からの自然光は、和紙光壁を照らし出す。

天窓から降り注ぐ緑の光と木々の風景。
森の色彩が空間を染める。

キッチンから望むダイニング。
 
食卓のにぎわい、一段下がったリビングに置いた薪ストーブで、暖をとる家族のくつろぎ。
 
すべてがひとつになる。

夕暮れのダイニングを照らす和紙光壁。
 
食卓空間に華やかさを添えている。

玄関から東側のゲストルームを見る。
 
森の海に開いたウッドデッキとリビングに平行して、東西に続く廊下。
 
森のあたたかさとは対照的に、陰影に光が沁みわたる静けさに、森の情緒を知る。

暗がりの廊下の先にあるゲストルーム。塗り壁の色がアクセントを生む。

ゲストルームから望む茶室。

茶室入り口の引き戸には襖和紙を使い、左官壁とのコントラストが、空間に動と静を生む。

茶室へ招く趣の異なる入り口が、陰影の表情を変え、山荘暮らしを愉しくする。

和室の全景。
写真右にある上部の窓からは、
南の光が天井にあふれる。

膝下ほどの高さに、茶器や花を飾る床の間をしつらえた。
 
浮かした収納の調光が一筋の光となり、水平に走る。

サニタリールームに降り注ぐ天窓からの光。

廊下から見る、ウッドデッキへ続くサニタリールームと浴室。

壁一面に広がる天窓からの光、ウッドデッキへのつながりが、まるで外に浴室があるような開放感を生んだ。

森の光があふれる浴室のありさま。

暗がりのレストルーム。
 
濃紺のタイルと土色の左官壁が、和の趣に寄り添う。

ウッドデッキへつながるベッドルーム。
森の海に身体を委ね、
鳥の声で朝を迎える。