PORTFOLIO #007
Villa Cheers!
PORTFOLIO #090
「多くを求めない」というよりも、四季折々の自然の美しさを実らせた小さな花や、わずかな森のうつろいに心を留めていたい。そんな想いでしつらえた、自然とひとつになる森の山荘。
通りから高低差のある小さな高台の上。
ウッドデッキを中心に、「コの字」に開いたモリノイエには、
木々の葉を透かした南の光が降り注ぐ。
森に開いたおおらかな南のウッドデッキとは対照的に、
風雨をしのぐ北側には、ピクチャウィンドウを設計。
南の光をたっぷり浴びた森の灯りが、空間全体を照らし、
南と北の緑の光がひとつになって、
まるで森の中にリビングがあるような開放感をもたらした。
実のところ、窓の風景は、人が座ってなお、よく観える高さに計画。
あえて低くしたことで、空間全体の重心が低くなり、包まれた巣ごもりの安らぎを感じられる。
窓には、実りを豊かにする森や鳥たちの営みが、映画のスクリーンを巡る物語のように流れていく。
ウッドデッキからまっすぐにつながるリビング、そして北の森の風景。
ウッドデッキから見るキッチンと玄関のありさま。
小さな山荘で、どこでも好きな場所で、食卓をつくる。
朝には、ウッドデッキであたたかいコーヒーを。昼には、リビングのソファで買ってきた焼きたてのパンを。夜には、キッチンカウンターでグラスを傾ける。そんな風に、山荘そのものを食卓として、夫婦ふたりの時間が積み重ねられていくことを想像する。
キッチンカウンターから見える森の風景たち。
リビング全景のありさま。キッチンのある北西側に、高低差のある畳の空間を計画。間仕切りなく空間をひとつなぎにするとともに、円い畳はそのままベンチにもなる。窓側には、森の風景を望み、筆を進めるような時間を想い、机を設計した。
北に開いた窓からの光は、高さのある吹き抜けの白壁にあふれ、光と影のコントラストを深める。天井を低くしつらえた畳の空間は、わずかな光に照らされた閑静を生む。
リビングから見るウッドデッキ。雨風を凌ぐ切妻屋根は、あえて大きく張り出すように設計。白い軒裏は、そのまま室内とつながり、緑の光を取り込む役割にも。
リビングから見る、北東のサニタリールーム。空間にどこまでも抜け感を計画することで、簡素で大きくはないモリノイエだけが知る、おおらかな広さを得る。
トイレと洗面室と浴室をひとつにした空間。
つやのない白灰色を基調としたことで、自然の光と色がやわらかに広がる。
サニタリールームの北側に位置する寝室は、北の森の光、東の陽を取り込む。
森の光があふれる北の森に開いた寝室窓と、リビングから寝室へ続くドア。
建て主の色彩感覚やもの選びのセンスは、見本にしたいところばかり。
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