PORTFOLIO #086

marcato box

敷地面積
2024.85㎡ / 612.52坪
建築面積
33.12㎡ / 10.02坪

一つひとつの音に耳を澄ませる
10坪の隠れ家

都会の物音、軽井沢のにぎわいからはなれ、深い森へとつながる野道を進む。その先に、たった一棟、ぽつりと佇む森のプライベートコテージは、ツリーハウスで羽を休めるような居心地をかなえた。
都会のワンルームでも、サービスの行き届いたホテルでも味わいきれない、たった一人の時間。そんな森暮らしを思い描いた建て主の隠れ家。

敷地面積
2024.85㎡ / 612.52坪
建築面積
33.12㎡ / 10.02坪

山肌をぬうように車を走らせた先、静まりかえった森の中に立つモリノイエ。風のゆらめきを知らせてくれる枝葉の隙間に、浅間山を望む。

ロフトからリビングを見る。10坪のコンパクトな空間には、インテリアも間仕切りもない。窓からの光がもれて、白い室内に陰影が浮かぶ。写真左奥に、エントランスとコンパクトなキッチンをしつらえ、リビングは浅間山を望むウッドデッキへとつながる。

見渡す限り、木々と空。その向こうに雄大な浅間山。森の音が、一つひとつはっきりと聞こえてくる。

10帖ほどの広さに抑えた、キャンプコテージのようなプライベートリビング。ロフト下に、バスルームとトイレを配置。高所からの日射が天井に広がり、吹き抜けにやわらかな光が注ぐ。

リビングからロフトを見上げる。建て主はキャンピングチェアに身を委ねて朝陽を望み、シュラフに包まれて星空を眺める。「シンプルで奥深い」森暮らしの愉しみ方と言える。

森に浮かぶウッドデッキ。リビングとのフラットなつながりが、内外の境界をあいまいにする。夏には両開きの窓を開放して、ここを食卓にするのもいい。

建て主のミニマルな選択は、森の音や自分自身の声に、じっくり耳を傾けるひとときをもたらしているように思う。「森と共に在る時間をもつ」。そのかたちは、実にさまざまである。