PORTFOLIO #087

四季を彩る庭園と日本旅館

敷地面積
604.2㎡ / 182.77坪
建築面積
118.4㎡ / 35.82坪

南の光を集める中庭を
コの字で囲む日本旅館

岩肌の苔や樹木が四季を知らせる中庭を、コの字で囲んだ日本旅館のようなモリノイエ。四方を囲まれた土地の難点を活かし、中庭を家の中心に据えたしつらえは、あたたかな南の光とともに、どこにいても風景の先に家族の気配を感じさせる。

敷地面積
604.2㎡ / 182.77坪
建築面積
118.4㎡ / 35.82坪

写真左から時計回りに、北西、北、北東を閉ざした3つの空間からなるモリノイエ。すべての空間をひとつにしたのは、南に開いた中庭。庭園の風景の先に、北西のロフトで遊ぶ幼い息子、北のダイニングで料理をする父と母、北東の和室でくつろぐ娘を見る。どこにいても、家族それぞれの暮らしの仕草を感じられる。

北東の和室から見る庭園。玄関とロフトがある北西の空間の白い外壁は、南の光を空間に広げるとともに、庭園の風景をキャンパスに描かれた絵画のように浮かび上がらせた。

北西のロフトから見る、北東の和室。
どこにいても、家族の声が届く。

北東の和室から北のダイニングを望む。四方を囲まれた土地の難点を活かし、プライベートな眺望を中庭にしつらえたことで、窓を開けて風景を味わう穏やかな森暮らしを叶えた。

ダイニングから見上げる大きな窓。北側の隣家からの視界を閉ざし、吹き抜けの壁に大樹の景色を開いた。双眼鏡で鳥を観察するような視界の集中が生まれ、森暮らしの安らぎを与えてくれる。

エントランスから中庭を抜け、北東の和室へと続く窓の連なり。

北東の庭へと続く、間仕切りのないダイニングには、南の庭園から光が注ぐ。

北東の庭から見るおおらかなリビング・ダイニング。南の庭からあふれる光、北の高所にしつらえたふたつの窓から降り注ぐあかり。たて格子を通り、北西の接道面へ続く抜け感。隣家に囲まれた土地の難点を読みながら、森のあかりを取り込む工夫を成した。

北西のロフトから見る、ホテルラウンジのようなエントランス。接道面からの視界を閉ざそうと安易に壁を設けてしまえば、空間の抜け感に欠けてしまうが、たて格子の窓をしつらえれば、空間の抜けも、プライベートを保つ暮らしも叶えることができる。

南のあかりを取り込む中庭に開いたロフトには、光がたまり、空間そのものが照明となる。

左|北側のリビングと薪ストーブを、北東の和室から見る。美術館のホワイトボックスのような壁面と天井、そして畳。白い空間が、和洋折衷の要素をひとつにする。
 
右|日本旅館のような寝室で、家族4人と川の字で眠るひとときが、建主の思い描いていた理想の森暮らし。そんな夢をかたちにした北東の和室につながり、大人二人がゆったり眠れる客間も設計。

北から見る和室の客間とウッドデッキのありさま。和室にしつらえた、南の光を取り込む膝上ほどの高さの障子窓は、空間に行き止まりをつくらず、開放感を与えてくれた。

和室から見る北のウッドデッキ。廊下に対して、引き戸で区切られた和室。45cmほどの高低差はベンチとして使われるだけでなく、和室空間の天井高を抑えることにもひと役。廊下から和室へ入ると、閉ざされた空間に安堵を抱く。

北東のプライベートな庭に、窓を開いたバスルーム。窓からの眺望は、隣家と視線が交わらない。