軽井沢別荘建築の四季 #3

10月の軽井沢

2019.10.31

秋の香り、色彩。それを美しいと感じる時、人がいかに、森や自然とともにあるかを認識させられる。森や自然の恵みを享受して、生きてきたのかを知る。ーーところで「木はなぜ紅葉するのか」。みなさんは考えたこと、ありますか? 童話の「葉っぱのフレディ」なんかを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。ここではそんな話を。
夏の光、雨の恵みを受けた葉は、栄養を培い、幹へ根へ流していきます。燦々と照らす太陽に照らされようと、たくさん枝葉を伸ばして、幹や根に必要な分だけの広がりをしていきます。しかし、だんだんと太陽が弱まり、気温も下がり、秋がやってくると、枝や幹が葉を持ち耐えなくなるのです。そこで、わずかな太陽の光を幹に届けようと、黄色に色づきます。そして最後、紅く染まり、葉は引退を迎えます。つまり紅葉は、有終の美とも言えるのです。紅く染まる紅葉は、幹が厳しい寒さに耐えること、緑葉を茂らせることを思い、枯れ落ちるまで頑張り抜きます。すると次は、根に栄養を与える土と共に、幹を支え、春から夏へと、森を緑に染めていくのです。だからということはなく、紅葉を美しいと感じる気持ちを、もう一度確かめたい気分なのでしょうか。秋色の軽井沢で、温泉や美術館をゆっくりな歩幅で巡りたいと、心が喜び始めている自分がいる。装いをアースカラーにしてみたり。
何より、この美しい自然を享受してきた軽井沢の先人に敬意を払い、軽井沢の別荘建築を考えるという感覚が、今ここにあるだけで、森に暮らす豊かさがあると知った。