森を読む 007

2018.11.17

設計士|和氣正頼

静まりかえった森に、永住を決めた母娘のためのモリノイエ。
冬の長い軽井沢で、日々を送るふたりの暮らしに欠かせないのは、太陽のぬくもり。お昼から日没にかけて流れるあたたかな光を、空間いっぱいに取り込むには……。「南西に開いたL字型のモリノイエにする」という思考から、設計をはじめました。

周りの家の視界をさえぎるために、北西を閉ざし、南西にはプライベートな庭を配置。気持ちのいい青空の下、家庭菜園で採れた野菜をウッドデッキで味わうこともできます。さらに、すくすく伸びる野菜のようすや南西の森を、朝の目覚めともに望めるように、L字の屈折点にベッドルームを設計。

四季のうつろい、植物や野菜の成長と共にある母娘の毎日。ふたりにとって、ダイニングで過ごす時間もまた、大切なひとときとなることを思い、東にある水のせせらぎと森を眺めるように、ピクチャーウィンドウを設計。

日々、真新しい表情で語りかけてくる森のそばで、あたたかな太陽に包まれるモリノイエが、母娘に永く愛されることを願って。