森を読む 006

2018.08.24

設計士|和氣正頼

仲良し夫婦二人が週末の森暮らしを愉しむ、コンパクトなモリノイエ。南西の傾斜に沿う片流れ屋根は、南の直射をほどよく遮り、西に開いたリビングには、日射をたっぷり浴びた森の緑光が広がります。
ゆるやかな傾斜のある森に敬意を払い、プランニングは素直に。そして、時間をかけて、やっと出会えたこの土地の心地よさは、夫婦二人のお気に入りとなりました。

森の光を取り込むウッドデッキと、フラットにつながるリビングのありさま。森に開いたリビングは、内外の境界をあいまいにし、森の中に居住空間があるような開放感をかなえました。ここに広がるのは、東(接道面)に閉じた外観とは対照的に、夫婦二人のための特別な森の風景。

四季のうつろいをいっぱいに吸い込む居住空間。なるべく間仕切りをなくし、スキップフロアをしつらえることで、空間のリズムと光の広がりをもたらすことができます。
コンパクトでシンプル。だけど、室内にいることを忘れさせてくれる、森の風景がある。
そんなことを考えながら、「西の窓から、あの枝先が風にゆれるのを見せよう」、「廊下の先に、あのゴツゴツした木の幹を見せよう」などと、森暮らしをいっそう味わい深いものにする「暮らし手の視線」を想像しながら、設計を進めています。