森を読む 005

2018.07.20

設計士|和氣正頼

楽器を趣味とする女性のモリノイエ。
南西に緩やかに傾斜する山の上に、ぽてりと立つ三角屋根のフラットヴィラ。楽器の音を広げるためには、それなりのボリュームのある個室が必要とも考えられますが、家全体を小さな音楽ホールと捉え、吹き抜けのおおらかなワンルームを設計。あえて家全体をコンパクトにしたことで、音楽と生活が、いつでもとなり合わせに。ここでなら、息をするように奏でる日々の音楽が、暮らしに響き渡ります。

東西には手つかずの森が、ありのままの姿を残していました。そこにはなるべく手を加えず、素直に家を配置し、窓にひと工夫。東西の森から流れる風の抜けを汲み取った窓は、心地よい空気と美しい森の風景を運んでくれました。小な音楽ホールのようなこのモリノイエに響くのは、森の風と主人の音楽。