森の週末映画館 015「シェフ」

2018.04.13

モリノイエ編集室

映画のワンシーンは
過去と未来に書き残された手紙のように、
大切な何かを教えてくれる。
モリノイエで観たい映画を
マイペースに紹介していく「森の週末映画館」。
どうぞお楽しみに。

015「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

公開:2014年
出演:ジョン・ファヴロー / スカーレット・ヨハンソン 他
監督:ジョン・ファヴロー
 
ロサンゼルスにある一流レストラン総料理長のカール・キャスパーは、料理で感動を与えることに情熱を燃やし、新たなメニューに挑戦。しかし、変化を拒むオーナーと対立し、お店を辞めさせられてしまう。
しばし途方に暮れるカールだったが、旅先のマイアミで絶品のキューバサンドイッチに魅せられ、一念発起。運よく譲り受けたフードトラックにすべてを懸けて、オリジナルサンドイッチの移動販売をはじめることに。さらには、10歳の息子と元部下も仲間入り。ついに、マイアミからニュー・オリンズ、オースティン、ロサンゼルスへと横断する旅路、彼らが探究する“おいしい”が、予想をはるかに越える人気を呼んでいく。

「主人公カールを演じる
ジョン・ファヴローが
本当につくりたかった映画 」

料理一筋、とことんその腕を磨いてきたカールが、一流レストランを離れて改めて気づいたのは、「人に感動を届けたい」ということただひとつ。肩書きも名誉も捨てて、夢中になって“おいしい”を探究する彼は、焦げたサンドイッチを出そうとする息子にこんな一言を投げかけます。
 
「この世で一番幸せなことがある。何だと思う?自分が一生懸命つくったものを人に味わってもらうことだよ」と。
 
父の本気に我にかえった息子は、もう一度つくり直すことに。そんな親子のやりとりをはじめ、劇中では数々の名言が飛び交うのですが、実はこの一言には裏話があり......。
 
本作は、「監督・主演・脚本・制作」の4役を務めたジョン・ファヴローが、製作費数百億円の『アイアンマン』シリーズの監督続投を断ってまで、つくりたかったという渾身の自主制作映画。過去の超大作でしがらみにとらわれていた彼が、本当に表現したかったのは、家族の絆や諦めない心。それらを脚本に書き起こし、インディーズ映画をつくっていた頃の原点に還り、全力を注いだそう。制作費云々よりも、本当につくりたい映画をつくるという彼のすべてが、カールの口を通して語られているのです。
 
それもこれも、家族と過ごしたマイアミでの余暇に、キューバサンドイッチと出会ったことが、すべてのはじまり。
 
日のあたたかさを感じられる季節。フードトラックで旅する彼らさながら、食材を買い込んで、森へ車と向かう週末の家族ドライブに出かけてみれば、愉しい日々をもっと愉しくさせるきっかけに出会えるのかもしれませんね。
 
それでは、また。
素敵な週末を。