森の週末映画館 006「はじまりのうた」

2017.10.12

モリノイエ編集室

映画のワンシーンは
過去と未来に書き残された手紙のように、
大切な何かを教えてくれる。
 
モリノイエで観たい映画を
マイペースに紹介していく「森の週末映画館」。
どうぞお楽しみに。

006「はじまりのうた」

原題:BEGIN AGAIN
2013年
出演:キーラ・ナイトレイ / マーク・ラファロ / アダム・レヴィーン 他
監督:ジョン・カーニー
 
元敏腕音楽プロデューサーのダンと、無名シンガーソングライターのグレタは、NYの街角で雑音おかまいなしのゲリラレコーディングを敢行。恋人、友達、家族......。それぞれの物語に新たなはじまりが訪れる。

「望みがあるのなら」

ある夜、行き場のない孤独へと突き落とされてしまったグレタは、友人に連れられたバーのステージに無理やり立たされ、不機嫌にこんな歌を唄うことから、物語がはじまります。
 
“A Step You Can’t Take Back”。
「都会で独りのあなた。カバンに詰め込んで、忘れかけた夢。失敗も成功も、過去のすべてはやり直すことなんてできない。だから、前に進むの」。
 
何より心打たれるのは、この歌が語りかけるように、過去を顧みないグレタの姿。音楽ビジネスには乗らず、媚びた楽曲にもNOを突きつけ、いつでも選ぶのは、心が正しいと思う方。そんな彼女に、ダンをはじめ、周りの人々も次第に本心と向き合いはじめていくのです。
 
私たちの人生は選択の連続ですが、分岐点に立たされた時、彼女が貫いた正しさには、ヒントが秘められているはず。望みがあるのなら、正直に諦めないこと。なんて、きっと心を洗い流してくれる誠実さがこの映画には詰まっています。
 
さらに、実はこの物語には、続きがあり......。
 
本作は、全米5館での上映からはじまり、みるみる口コミで広がり、なんと!上映館数1300館にまで記録を伸ばしてしまったのだから驚き。
いわば、望みがあるのなら一歩踏み出してみようと、観る者の琴線に、はじまりの鐘を鳴らしてしまった傑作です。
 
それでは、素敵な週末を。