モリノイエの愉しみ 001|ハンス・J・ウェグナー CH23

2018.11.25

モリノイエ編集室

時間を経て、あめ色のつやを増していく、無垢のオークとウォルナットの美しさ。モリノイエの暮らしとともに、手を触れるほどに表情を深めていくありさまは、森にあってなお、モダンな印象をもたらしてくれます。
 
さらに、ジョイントを一切使わない技術、
約120m〜130mのペーパーコードを使ったカノコ編みの座面の強度とフィット感、
熱を保たない通気性は、
熟練の職人の手仕事の結晶であることを教えてくれます。
 
CH23が開発されたのは1950年。この年は、ウェグナーを代表するCH24(通称:Yチェア)をはじめ、CH22、CH25、CH26と各シリーズが同時に発表されました。

CH24(Yチェア)に座る、ハンス・J・ウェグナー(1914-2007)。生涯に500以上の椅子をデザイン。20世紀の北欧を代表する家具デザイナー。
靴職人の父のもとに生まれ、13歳から家具職人の道を歩む。23歳からは、コペンハーゲン美術工芸学校で、家具設計を専攻。建築家アルネ・ヤコブセンの事務所に勤務し、オフース市(デンマーク第二の都市)の庁舎の家具設計を手がけた。この時、デニッシュデザイン界に大きな貢献を残した家具工房「ヨハネ・ハンセン社」との共同作業をスタート。1943年に独立してからは、美術工芸学校で教鞭を執りながら、時代に残る名作家具をデザインした。
ウェグナーデザインの特徴は、ミニマルでオーガニックなフォルム。構造的にも意匠的にも無駄のない接合部は、木材に対する深い造詣があるからこそ。CH24(Yチェア)は1950年から「カール・ハンセン&サン社」で生産を続け、CH23などは2017年に復刻。彼が生み出した椅子は、世界中の著名な美術館でコレクションされている。

ウェグナーの名作の中でも、CH22、CH25、CH26は、座面が広く、肘当てがあるため、リビングでのくつろぎに適したラウンジチェアと言えます。
 
一方、ちょうどいい大きさを備え、ダイニングや書斎をともにするのは、YチェアかCH23。しかしいざ座ってみると、 Yチェアの背中を包み込みリラックス感は、書斎向きではなく、どちらかというとダイニング向きであることがわかります。
 
こうして比べてみると、CH23はどんな場所にも似合うということがわかってきました。ダイニングテーブル、書斎のデスクにぴたりとおさまり、空間にあっても、おいそれと主張をしないCH23。背面にかけて流れる曲線美だけを、こちらにのぞかせます。
 
「控え目で、ちょうどいい」CH23の佇まいは、愛らしいものです。