ちょうどいい

2020.05.01

モリノイエ編集室

地球環境について考えるイベント「アースデイ東京」。 
毎年4月に、代々木公園で様々な催し物が行われているので、東京にお住まいの方は足を運ばれたことがあるかもしれません。 
 
ところで、このアースデイの起源をご存知ですか。 
 
今から50年前の1970年。 
アメリカのある上院議員が環境問題についての討論集会の開催を訴え、それに呼応したスタンフォード大学に通うひとりの学生がこう言いました。 
 
「『母の日』や『父の日』があるのに、『地球の日』がないなんておかしい」 
 
これがきっかけとなり、4月22日水曜日という“何でもない日”を「地球の日=アースデイ」としたのだそう。 
 
そして、アースデイ誕生から50年という節目の年を迎えた、今年2020年。 
突如として降りかかった脅威は、有史以来、加速度的に領域を広げ、資源を消費してきた人類と地球との関係を再考し、共存の道筋を探る、大きな契機となるかもしれません。 
 
… 
 
現在、日本ではサスティナブルな社会を実現するため、住宅を建てる際に守るべき「省エネ基準(平成28年基準)」というものがあります。 
(当初は2020年に完全義務化、つまりこの基準を満たしていない住宅は新築できなくなる予定でしたが、諸般の事情で見送りとなり、現状はこれまでと変わらない「努力義務」のままです) 
 
また、この省エネ基準では日本各地、北海道から沖縄までを8地域に分けた「断熱地域区分」というものが設けられています。 
(ちなみに…軽井沢町は日本国内で北海道などに次いで2番目に寒い「2地域」、東京23区は「6地域」)

今後は地球環境保全の観点に加えて、下記のような経済的な理由でも、この断熱地域区分に沿った省エネ基準対応の住宅が増えていくことが見込まれます。 
 
・フラット35や各金融機関などで、金利が優遇される技術基準の中に「省エネルギー性」が挙げられている 
・2016年に国が設けた「BELS」という住宅のエネルギー性能評価制度により、省エネルギーであるほど住宅としての評価(資産価値)が上がる 
 
しかしながら、ランニングコストを抑えようと思うと、イニシャルコストは高くなるのが世の常。 
 
ハイブリッド車は、他の同クラスの車種と比べると少し値段が張りますが、低燃費。 
たくさん乗る方であれば、最終的には車本体に支払った値段以上に得をすることもあります。 
 
無農薬野菜は、普通の野菜と比べると割高。 
ですが、それで健康になって体調を崩す回数が減れば、健康面でもコスト面でも、比べようもないほど大きなプラスになります。 
 
そして住宅。
建てるときに断熱を含めた温熱環境をしっかり整備することで、もちろんその分お金はかかりますが、冷暖房を使わなくても心地よく過ごせる、使う時でも少しのエネルギーで効率的に部屋を温める(冷やす)ことができるため、長い目で見ると収支がマイナスからゼロ、そしてプラスに転じていきます。 
 
快適性、コスト、地球環境へのインパクト。 
 
もちろん、そこに唯一絶対の正解はありません。 
実際、安心のために、ひとつ上の断熱地域区分の性能を採用される会社や建て主もいます。 
(あるいはその逆も) 
 
私たちモリノイエ軽井沢では、機能に寄りすぎず、コストに寄りすぎず、中立的な立場から、その土地の気候に合った、オーバースペックでない、バランスの良い温熱環境をご提案しています。 
ご家族にとって“ちょうどいい”お金の使い方を一緒に考えるのも、建築のプロとしての大切な仕事だと考えているからです。 
 
 
※写真は、PORTFOLIO #080「Friends’ Guest House」