Blog

森を読む001

何年もの歳月を重ねて、

日々の風に吹かれて、雨に打たれて、

あるがままに空へ広がっていく森。

それがあなたの森暮らしのそばにあるのなら、

私たちのモリノイエづくりは

大地を踏み、枝葉をかきわけ、木々を見上げて、

森を読むことからはじめたい。


森を読む001


ここは南東に傾斜する土地。台形の敷地の広さはおよそ東西に22m、南北に27m。航空写真を見ると、山の裾野の一部であるとわかるが、実際に足を運んでみると改めて気づかされることがありました。

ひとつは、風向き。

山に近い土地で、季節や時間ごとに不規則に変化する風向きを読み、どのような風の通り道を想定するかは、心地よい家づくりの大切な礎。

そこで重要な手がかりとなったのは、雨と霧の流れでした。

山の傾斜に沿った南東方向に雨水や霧が流れることを汲み、それらを遮らないモリノイエの配置を設計。自然に沿って吹き込む風を読むことからイメージを膨らませていきました。

南東から望む外観

 

ひとつは、自然とのバランス。

古い家が建っていた痕跡を残すこの土地は、針葉樹と広葉樹が織り交ざった森となっていました。敷地内にはカラマツの木が生えていますが、落葉が屋根に溜まるため、伐採するべきという考えもあるでしょう。しかし、大木のもつ生命力を身近に感じるという特別な体験を手に入れるために、あえて残すという選択もあり得るでしょう。

これにおいては、軽井沢の森暮らしを心得ている建主の理想だった“家の中心にデッキをもつ”というテーマが鍵となりました。そこでまずは、家の中心に広めのカヴァードデッキを設け、室内のリビングと外のデッキが一体の空間にあることを感じられるプランから着想。

そして外観において、森との調和がとれるシンプルな三角の屋根をデザイン。雨や雪、落葉や日差しから家を守るという実利を叶えつつ、森に溶け込む佇まいを描いていきました。結果的に、カラマツの大木と並ぶ小さなモリノイエへとカタチを成していきました。

さらに、カーポートからのアプローチやデッキエントランスに工夫と遊び心を加え、コンパクトでありながら、広さを感じられる“ちょうど良い森暮らし” を想像し、建主の願いを汲みとりながらデザインのディテールをまとめています。