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森の週末映画館012「ストレイト・ストーリー」

映画のワンシーンは、
過去と未来に書き残された手紙のように、
大切な何かを教えてくれる。

モリノイエで観たい映画を
マイペースに紹介していく「森の週末映画館」。
どうぞお楽しみに。

森の週末映画館 012
「ストレイト・ストーリー 」
原題:The Straight Story
公開:1999年
出演:リチャード・ファーンズワース / シシー・スペイセク 他
監督:デヴィッド・リンチ
足腰が悪く、倒れてしまえば自らの力で立ち上がることもままならない、73歳の老人アルヴィン・ストレイト。そんな彼のもとに、疎遠になっていた兄が心臓発作で倒れたという知らせが届く。頑固者の彼は娘の心配をよそに、兄が住む家までの560kmにも及ぶ道のりを、芝刈り機に乗って一人旅に出る。
ある時は助けを惜しまない人々に救われて、またある時は、彼の言葉が若者に人生の教訓を与えていく。そんな偶然の出会いに恵まれながら、兄との再会を果たすまでの旅路で、アルヴィンもまた、自らの人生を振り返っていくのだった。ニューヨーク・タイムズ誌に掲載された実話をもとにした、心温まるロードムービー。

 

不思議に結ばれた幸せな時間

 

のどかなトウモロコシ畑を背景に、トコトコゆっくりと歩むアルヴィンの旅。ある日出会ったのは、妊娠が原因で、家族と不仲になってしまった家出中の少女。彼女の複雑な心境に自分自身の過去を重ねたアルヴィンは、満点の星空の下で焚き火を囲み、優しく語りかけます。「細い枝も家族も、一本ではもろいものだが、束になれば折れることはないのだ」と。

そんな心の交流をはじまりに、様々な人々と偶然の時を共にしながら、兄のもとへと進んで行くアルヴィン。その道中で語られる彼の言葉や眼差しは、家族の絆を物語り、私たちの心を温めてくれます。

火を囲み、お互いの声に耳を傾けるアルヴィンと人々。彼らが心を通わせていくように、不思議に結ばれた大切な人とのささやかな時間こそが、人生の素晴らしい瞬間であると感じさせてくれる、まさに家族と森で観たい感動の一作です。

それでは、また。
素敵な週末を。

 


ILLUSTRATION & TEXT:モリノイエ編集室