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森の週末映画館005「6才のボクが、大人になるまで。」

映画のワンシーンは
過去と未来に書き残された手紙のように、
大切な何かを教えてくれる。
 
モリノイエで観たい映画を
マイペースにご紹介していく「森の週末映画館」。
 

森の週末映画館 005
 
「6才のボクが、大人になるまで。」

原題:Boyhood
2014年
出演:エラー・コルトレーン / イーサン・ホーク / パトリシア・アークエット 他
監督:リチャード・リンクレイター

 主人公の少年メイソンの6歳から18歳までの成長を描いた映画。メイソンを演じるエラー・コルトレーンを筆頭に、母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホークらの俳優が、実際に12年間同じ役を演じ続けて完成された本作。
孤独や友情、初恋を知り、成長していくメイソンは、やがて写真家としての夢に向かい、母親のもとを巣立っていく。そんな一人の少年が大人になるまでの12年という歳月の中で、母親は夢だった大学教員となり、ミュージシャンを目指していた父親は就職し、それぞれの人生の変化が交差していく。
一組のカップルの時間の流れを映し出した「ビフォア・サンライズ」、続編「ビフォア・サンセット」、「ビフォア・ミッドナイト」の監督リチャード・リンクレイターが贈る人生のドラマ。

「12年という時の流れ」
 
どこの家族にも起きそうな他愛もない出来事を切り取った物語。
希望を知ったメイソン。夢を叶えた母。息子と肩を並べて語り合うようになった父。彼らの人生の断片をありのままに映し出したシーンの連なりと、狭間にある余白。そこには、語り尽くすことのできない心の変化と時の流れが描き出されています。2時間45分に散りばめられた一瞬と、語られることのない12年という歳月。いわば、人生とは、いつでも「今」の連続が未来へと続いているということを教えてくれるのでした。
かつて、車の後部座席で戯れていた子どもが、未来への不安や希望を胸に旅立つその時。メイソンの横顔が物語る時の重なり。彼の心に思いを馳せ、テーマ曲「Hero」(Family of the year)をカーステレオにドライブをしたならば、目の前には、真新しい明日が広がっているのでした。

 

それでは、また。
素敵な週末を。


ILLUSTRATION & TEXT:モリノイエ編集室