Blog

森の週末映画館004「ニュー・シネマ・パラダイス」

映画のワンシーンは
過去と未来に書き残された手紙のように、
大切な何かを教えてくれる。
 
モリノイエで観たい映画を
マイペースにご紹介していく「森の週末映画館」。
 

森の週末映画館 004
 
「ニュー・シネマ・パラダイス」

原題:Nuovo Cinema Paradiso
1988年
出演:フィリップ・ノワレ / ジャック・ペラン / サルヴァトーレ・カシオ 他
監督:ジョゼッペ・トルナトーレ

 舞台は、第二次世界大戦中、シチリア島の小さな村にある映画館「パラダイス座」。親の目を盗んではここに通いつめていた少年トトは、映画に魅了され、何度も映写室へ忍び込み、次第に映写技師のアルフレードと心を通わせていく。そんなある日、映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは火傷で視力を失ってしまう。そんな彼に代わり、新しく建て直された「新パラダイス座」で映写機を回すようになったのが、トトだった。しかし、戦争が激化し、軍隊に徴兵されることに。
そして、年月が過ぎ、除隊したトトが村に帰ってくると、そこには別の映写技師が。肩を落とすトトに、アルフレードはこう告げる。「人生は映画とは違うんだ。人生はもっと厳しいものだ」と。その言葉に背中を押されたトトは、ローマへと旅立つことに。
やがて、映画監督として成功を収めたトトの元に、アルフレードの訃報が届く。そして、映画に夢中だった少年時代を懐古しつつ、30年ぶりにシチリアへ帰ると、アルフレードが残したフィルムを渡されることに。そこに映し出されたものとは……。
世界中から喝采を浴び、数々の賞を手にした感動映画の金字塔。

「映写技師アルフレード」
 
トトのローマ行きを決定づけたアルフレードの一言。「人生は映画とは違うんだ。人生はもっと厳しいものだ」。
この言葉の裏に隠されているのは、トトの晩成を願うがゆえの思いやり。まさに、人々のために笑いとロマンス、感動を届けてきた映画技師のアルフレードとして、然るべき助言なのでした。失明した自分に代わって、小さな村で映写技師の道を歩むのではなく、もっと広い世界を見るべきなのだと……。
混沌とした世の中で、民衆の幸せを願い、映画を流し続けたアルフレード。そして、トトの成長に寄り添った日々。そんな彼の姿に、人生で大切なのは「何をするかよりも誰のために成すのか」なのかもしれないと考えさせられる感動の傑作。時間を忘れて観たい、オススメの一作です。

 

それでは、また。
素敵な週末を。


ILLUSTRATION & TEXT:モリノイエ編集室